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小林敬生/Keisei KOBAYASHI 小口木版の世界
-アトリエを訪ねて-
Monthly Gallery Art Movie Vol.2

Full Ver.はこちらから https://youtu.be/u3yivepkZhc

木口木版の大作を発表するパイオニア

 日本を代表する木口木版画の作家として、活発に作品発表をしている小林敬生のアトリエを訪ねた。本来、手にとって鑑賞するような小さな画面の世界だった木口木版で、大作を積極的に発表し、版画表現の世界を広げてきた。

 木口木版は、かつて印刷・出版で使われる、緻密は表現の画像を担うパーツとして使われてきた。百科事典などの細かい画像なども、精緻な職人技で現物のような画像を可能にしていた。出版産業の一部を担う実業として多くの職人が、さまざまな画像を制作していた。それが、時代の流れの中で、写真が登場することによって出版・印刷の世界から退場することになった。そこで、残ったのが版画家による木口木版画となった。

 イマジネーションを表現する精緻な世界は、版画という芸術表現の中で生かされている。ただ制作に時間がかかるために、大画面の作品は少なかった。そこに小林敬生が登場し、鏡貼りの技法を駆使して、大画面の迫力ある作品を発表し続けた。小さな版木を何枚も合わせて大きな作品にしていく技術を磨いていった。現在、小林敬生は中国など海外での発表で忙しい日々を過ごしているが、海外での高い評価も、社会批評をテーマにしている作品のコンセプトにもあるが、大画面の迫力も大きな力になっている。