
YouTbeにて動画公開中 https://www.youtube.com/watch?v=2m-seIws_Fk&t=7s
36歳で絵描きになろうとした、画家・小原聖史の誕生物語は、無理なく生まれでた自然児のようなスタートをきっている。子供の頃から絵が得意で、好きだったが、まさか絵描きになれるとは思わなかった小原は、コピーライターとして仕事を始めた。その後、好きだったアンティークショップを開き、それを軌道に乗せた。仕事で世界各国にアンティークの仕入れに飛び回る折には美術館を見て歩いたり、さまざまな画家の画集を手にして研究するというように、常に美術の刺激を受けていた。
仕事の仕入れだけでは物足りなさを感じていた小原は、「見る側ではなく自分でも作りたい」と思って、そこですぐ絵を描いた。その作品を自ら経営するアンティークショップの壁面に飾ると、来客が作品を気に入って買った。これまでの美術に関する蓄積は相当あったとしても、制作の技術的な練度はまだ高くなかった筈だが、古美術を好きな顧客の眼に叶って売れてしまった。それ以外にも美術教授に褒められるなど、自信を付けた事はいろいろあって、小原は画家としてやっていくことに決めた。描いた絵を、他人が求める。このシンプルな関係が広がり、画家としての道を歩みだした。
「最近、作品はミクストメディア化しているんですけど、いろんな技法を吸収して、自分の中でひとつのものに昇華していきたいですね。まだまだ求道者でありたい、どんどん技法を取り入れつつ、新たに変わっていきたいなと。そして小さい頃描いていたような気持ちで描いていきたい。相反するようだけど、テクニックはテクニックで学びつつ、その上で素直な気持ちを画面にぶつけていきたいなと思っています」
常に作品のイメージが湧き、作品の制作に困ったことがないという小原は、ほとばしる画相をいかに思うように描けるか、そのアウトプットの技法を模索している。将来、壮大なファンタジックアートを描きたいという小原の世界は、明るく広がっている。